タイで教えるならどこで教える?中・高の教師は楽?大変?:タイの高校で初めて日本語を教えた7か月を振り返る

タイで日本語を学ぶ人は、中高生、大学生、一般の方と、とても多いです。

一般の方も、趣味で学ぶ方のほかに、日系企業で働いているから仕事に関連して学習する方もいます。

それだけ、教える場も様々。企業内の講師もいれば、日本語学校で教えている人もいます。

国際交流基金の2018年の調査によれば、日本語を教えている機関は、

初等教育19か所、中等教育(中・高)515か所、高等教育(大学)84か所、それ以外の教育機関(語学学校など)65か所

となっています。断然中学・高校が多いですね。タイは基本的に中等教育はMatayomと呼ばれ、中高一貫校が多いです。

Matayomで教えるのは楽?大変?

楽な部分

楽と思われる部分=授業準備での文法項目の下調べ。Matayomはまだ初級段階のため、お教える文法項目は限られています。勤務校では、て形まで使えるようになれば御の字です。

N2, N1の内容のような、高度な類似表現や社会言語学的な表現の適切さ・不適切さの説明に出くわすケースは少ないので、毎回の授業前に調べなくてはいけない知識は少なくて済みます。

また、授業中に答えるのが難しい質問を学生から受けてたじろぐということも、上級のクラスと比べて少ないでしょう。これは日本語学校などと共通でしょう。

大変な部分

日本語を勉強したくて選択したわけではなくモチベーションが低い子がいたり、そもそもおとなしく机に座っていられない子がいたりします。

クラスによっては、教室は混沌の渦!!いきなりギターを取り出して引き始める子や、Tiktokのダンス動画を撮影し始めるような子もいます。

僕は怒りを面に出すようなスタイルはあまりとらずに諭すような口調を使いますが、あまりにひどいクラスでは笑顔をキープしつつホワイトボードをバンバンたたいて大音量を引き起こしたり、ホイッスルを吹いてとりあえず静かな状態を作ってから話始める必要がありました。

そういった学生に興味を持ってもらう工夫を考えるのが大変です。

数字を覚えたら商品の駄菓子を準備してビンゴゲームをしたり、クイズ化・ゲーム化を頻繁に取り入れたりする必要があります。そういったアイデアの情報収集をしたり、自分で考えたりして、取捨選択をしなければいけません。そういう部分がまだあまり僕はうまくできていません。

また、パワーポイントでスライドを作成するときも、できるだけ見やすく・絵などで親しみやすく・分量を抑えて作る必要があります。特に中学生の授業では。

中学生のクラスがたくさんある日は夕方にはガラガラ声になり、のどが痛くなることもしばしば。

この状況の良い点は、学生は正直なので、興味ができれば比較的参加するし、興味が持てなければすぐに携帯でゲームをしようとしたりがやがやと話し出したりするというように、反応がわかりやすくダイレクトにもらえることです。

「今日はどうなるかな?少しでも学生の頭に授業内容が残るよう頑張るぞ!」と毎日ゲームに挑んでいるような気持ちで過ごすことができます。

中学校での昼休み後の授業で、授業開始後でも教室に戻ってこない学生が多い状況記録のために撮った写真。白板前の子は写真に写らないように端に寄っているのがちょっとかわいい。

教室では、スピーディーに、最長でも20分程度で内容を切り替えていくことが必要です。教師が何か手間取ってほんの少しでも空き時間ができるとすぐにガヤガヤしたり携帯ゲームが始まるので、その隙ができないように手際よく進める必要があります。

当たり前かもしれませんが、板書も、学生の活動中に行う・問いかけを行いながら行うなど、空白ができないようにする必要がありますね。もしくは板書は無しでプリント配布にするのもよいです。

そもそも教科書を持ってきていない・失くしてしまったという学生が多いクラスもあるので、そういうクラスはもう教科書を使うのはあきらめて、同じような内容をカバーする書き込み式プリントを毎回配布&回収するという対応に切り替えました(同僚の先生のアイデア)。

大変でも楽しい!

大変なところばかりが目立ってしまいましたが、人懐っこい学生と毎日過ごすのはとても楽しいです。中学生でも一つのクラスに10-20%くらいは熱心な学生がいますし、高校生は比較的熱心に勉強しています。また、中等教育でもほかの学校はもう少し落ち着きがあるところも多いと思います。

転職して毎日楽しく過ごしているのは疑いなく確かです。

「せんせー!こんにちはー!」と満面の笑顔で挨拶をしてくれると、気分がとても明るくなります。

勉強の方も明るく楽しく取り組んでくれる子が増えてほしいですね。