高校の堂々としたえこひいきの話、選挙の学校への影響

5月から、職場を変えました。

前の高校は、少し特殊な学校で、県の予算が潤沢につぎ込まれていて、日本人教師も3人雇われていました。。その予算に恵まれていた理由に問題があって、転職することに。

なぜ予算がつぎ込まれていたかというと、全県知事の出身校だったからです。

上記件名のの「えこひいき」は、学生のことではなく、この学校がほかの学校に比べて依怙贔屓されていたというお話です。

すごい優遇と県知事の奉り方

「誰でも無料で教育の機会が得られるように!」というのはいいのですが、自分の地元の1校を集中強化し、学生数4000人超(6学年合計)、学費・教科書代フリー、外国人教師約20人弱と、非常に偏った資源投入でした。

構内には県知事の写真やイラストがあちこちに。

コロナ対策で手を洗いましょうという看板も、吹き出し付きの県知事のイラストが。

各階のエレベーターの扉には、偉人の写真と生い立ちの説明が貼ってあるのですが、1回の一番目に付くところには同県知事の写真とライフストーリーが。

朝礼で、「国や親、友達などいろんな人に感謝します」という文言を学生が唱えるのですが、その中に県知事の名前も!

タイが公私混同や腐敗が多いといっても、ちょっとやりすぎ感が…

前知事の顔コラージュのボード

帝国の終焉

政治家も 選挙落ちれば ただの人

と誰が言ったか知らないですが、昨年の12月に県知事選挙があり、なんとこの知事さんは落選してしまいました。

選挙期間中は、朝学校につくと、学校の横の駐車場から選挙カーが出陣していくのとすれ違っていましたが、効果及ばず。

なお、対立候補の公約のうちの一つには「現知事の出身校への資源集中はやめ、県の全公立校に資源を配分して底上げを!」というものが含まれていたらしいです。

4000名の学生のと卒業生の保護者の票があっても、その他の高校はたくさんあるわけで、それは分が悪そう。

選挙が終わり、校長はじめ教師は「予算削減されてこの学校がどうなるのか」と戦々恐々とせざるを得なくなりました。

僕らも、予算削減で外国人教師も削減されるだろうと。

特に、コロナの特例措置はあれども、就労ビザが切れたら国を出なくてはいけない外国人教師にとっては死活問題。その割にフィリピン人の人たちはのんびりしてましたが。

ということで、転職活動を始め、初めの「職場を変えました」というところにつながるわけでした。

改革の結果

結局、学生の新規募集数は減らすことになりました。

そして、雇用契約終了は4月末なのに人員をどうするかの方針は4月中旬になるまで発表されず、(予想通りの遅さ!)、

それを見越して動いていた日本人教師は、結局3名全員が新しい職場を見つけて離職してしまいました。英語の教師も数人が転職活動をしていたようです。

発表された学校の方針は、

日本人教師は3名→2名に1名削減、

英語は2名削減、

中国語は4名→3名に1名削減という方針が示されました。

ということで、学校は新しい日本人教師2名を探さなくてはいけなくなってしまいました。

コロナ禍のなか難しそうですが、早く見つかることを願います。こういう政治的ごたごたの影響を学生が受けてしまうのはよくないことです。

新生の姿

新しい体制になり、前知事のポスターやイラストはもちろん撤去されていき、学校はニュートラルになるだろう!!

と思ったら大間違いです。

人は変わっても似たようなことをするのでしょうか。

新しいバージョンが!!

どうやら、新知事が命じたものではなく、彼が学校に来るのに備えて作ったもののようで「ようこそ」と書いてあります。

お金もったいないなぁと思ってしまいます。

新しい知事になってこういった肖像写真は減るのでしょうか。学校側が忖度して勝手に作ってしまったりして。でも、予算は県の承認が必要なはず…

タイの高校での試行錯誤:格差大のクラスの会話の授業

インストラクショナルデザインでは、初めにプレースメントテストを行って必要条件を満たした学習者がクラスに参加できるようにするとのことですが、実際の現場はクラス内の格差がひどい場合も多いです。

勤務した高校のあるクラスの状況を調べたところ、40人のうちひらがな・カタカナがすべて使えるのが2割程度、ひらがながだいたい使えてカタカナがわからないのが6割程度、ひらがなもわからないのが2割程度といった割合でした。ローマ字もわからない学生も3-4人ほどいました。

そんなクラス内での学力差がある中どうしたらいいのか悩んだ中の実践例を書いておきます。

教科書・クラスの紹介

「こはるといっしょににほんごわぁ~い 2巻」を使った会話の授業です。

(教科書は、こちらで試し読みができます:https://www.flipsnack.com/59FC6CBA9F7/2-f7n0glfm.html?pn=7)

各課の構成は、おおよそ「モデル会話→語彙導入→ペア・グループでの会話練習やQ&Aのワーク→その日のキーセンテンスを単語代入して教科書に書き込む」です。

5年生(高校2年生)の週6時間学習するクラスで、週2時間がこのテキストを使用した会話のクラスでした。

1学期の途中から入り、当初は教科書の内容をそのまま行っていましたが、「友達5人に好きな食べ物を聞いて答えを記入しよう」といった課題の時間をとっても、日本語を使って会話をするのはごく一部で、大多数の学生はタイ語を使ったり、友達の教科書の書き込みを待って写すという状況でした。

写す場合、ひらがなも読めない学生は、筆者というより絵を模写するような形を追いかけるようなコピペになってしまっていました。

2学期目の実践内容:

2学期目はペア・グループワークの時間は無くし、ペア会話のビデオ提出の課題を出し、ビデオの作業時間に置き換えました。

授業の流れは「その日のトピックについてタイ語で軽く話す→モデル会話を一緒に意味を確認して練習→モデル会話に代入して使える語彙の確認と発音練習→他に知りたい語彙があれば質問してもらう→各自練習してビデオ撮影/教師への個別質問の時間」

ねらいは主に3つです:

1.ビデオを撮って提出すると課題点がもらえる/友達にも見られるため、ちゃんとしたビデオを撮りたいと思う→撮影前にたくさん練習をする=発話機会の増加

2.授業中に会話練習・ビデオ撮影の作業時間を入れることで教師の空き時間ができ、教室内を巡回して困っている学生をケアできる

3.文字が苦手な学生でも、友達のノートの丸写しなどではなく、自分の力で日本語を話してなんとか課題を出せる→自己肯定感の醸成、成功体験の積み上げ

背景にある考え方は2つ。

簡単に言うと、「できる人は放っておいても自律学習できるから縛りすぎずに任せる」「アウトプットでは、できる人は工夫したハイレベルな産出・不得意な人は最低必要レベルの産出と、実力なりに取り組むことができる」です。

2つとも自前ではなく借り物です(最下部にブログリンクあります)。

オンライン化

途中、2か月ほどオンライン授業の期間がありました。その間は、教科書の内容をもとにモノローグのスクリプトを作って一人で録音できるような形にしたり、質問と回答と一人二役するビデオにしてもらいました。後者はあまりよくありませんね。

携帯を駆使すればビデオ通話等でペア会話の録画も可能ですが、デジタル機器のハードルが上がって学生のビデオ提出率が下がるのを恐れ、上記のような形をとりました。

結果

よかった点

1.できる学生は、授業中に撮影まで終わらせて悠々としていたり、ほかの授業の宿題に取り組んだりしていました。すでに理解している説明を聞いたりまったりする時間が減りました。

2.教師が巡回するため、後ろの方に座っている学生も質問がしやすくなりました。また、教師は困っていそうな学生に個別対応する時間を取れるようになりました。

3. 後ろの方に座っていてあまり学習意欲が無いように思われた学生の中で、やる気を出してGrade4(最高レベル)を取った学生が出ました。

限界の点

ビデオをあまり提出しない学生がいて、成績は2極化してしまいました。

中間層を引き上げることはできたようですが、学習意欲が低い層を巻き込むことは少ししか成功しませんでした。特にオンライン授業の期間のビデオ提出率が低くなってしまいました。

いかがだったでしょうか。

今回の事例があまり参考にならなくても、「トップを解放せよ」と「格差があるクラスでのアウトプット中心の授業」という2点は参考になると思うので、下記元ネタリンクを是非ご覧ください。

むらログ「トップを解放せよ」

http://mongolia.seesaa.net/article/398383943.html

さくまログ アウトプットを中心に据えた授業

タイで教えるならどこで教える?中・高の教師は楽?大変?:タイの高校で初めて日本語を教えた7か月を振り返る

タイで日本語を学ぶ人は、中高生、大学生、一般の方と、とても多いです。

一般の方も、趣味で学ぶ方のほかに、日系企業で働いているから仕事に関連して学習する方もいます。

それだけ、教える場も様々。企業内の講師もいれば、日本語学校で教えている人もいます。

国際交流基金の2018年の調査によれば、日本語を教えている機関は、

初等教育19か所、中等教育(中・高)515か所、高等教育(大学)84か所、それ以外の教育機関(語学学校など)65か所

となっています。断然中学・高校が多いですね。タイは基本的に中等教育はMatayomと呼ばれ、中高一貫校が多いです。

Matayomで教えるのは楽?大変?

楽な部分

楽と思われる部分=授業準備での文法項目の下調べ。Matayomはまだ初級段階のため、お教える文法項目は限られています。勤務校では、て形まで使えるようになれば御の字です。

N2, N1の内容のような、高度な類似表現や社会言語学的な表現の適切さ・不適切さの説明に出くわすケースは少ないので、毎回の授業前に調べなくてはいけない知識は少なくて済みます。

また、授業中に答えるのが難しい質問を学生から受けてたじろぐということも、上級のクラスと比べて少ないでしょう。これは日本語学校などと共通でしょう。

大変な部分

日本語を勉強したくて選択したわけではなくモチベーションが低い子がいたり、そもそもおとなしく机に座っていられない子がいたりします。

クラスによっては、教室は混沌の渦!!いきなりギターを取り出して引き始める子や、Tiktokのダンス動画を撮影し始めるような子もいます。

僕は怒りを面に出すようなスタイルはあまりとらずに諭すような口調を使いますが、あまりにひどいクラスでは笑顔をキープしつつホワイトボードをバンバンたたいて大音量を引き起こしたり、ホイッスルを吹いてとりあえず静かな状態を作ってから話始める必要がありました。

そういった学生に興味を持ってもらう工夫を考えるのが大変です。

数字を覚えたら商品の駄菓子を準備してビンゴゲームをしたり、クイズ化・ゲーム化を頻繁に取り入れたりする必要があります。そういったアイデアの情報収集をしたり、自分で考えたりして、取捨選択をしなければいけません。そういう部分がまだあまり僕はうまくできていません。

また、パワーポイントでスライドを作成するときも、できるだけ見やすく・絵などで親しみやすく・分量を抑えて作る必要があります。特に中学生の授業では。

中学生のクラスがたくさんある日は夕方にはガラガラ声になり、のどが痛くなることもしばしば。

この状況の良い点は、学生は正直なので、興味ができれば比較的参加するし、興味が持てなければすぐに携帯でゲームをしようとしたりがやがやと話し出したりするというように、反応がわかりやすくダイレクトにもらえることです。

「今日はどうなるかな?少しでも学生の頭に授業内容が残るよう頑張るぞ!」と毎日ゲームに挑んでいるような気持ちで過ごすことができます。

中学校での昼休み後の授業で、授業開始後でも教室に戻ってこない学生が多い状況記録のために撮った写真。白板前の子は写真に写らないように端に寄っているのがちょっとかわいい。

教室では、スピーディーに、最長でも20分程度で内容を切り替えていくことが必要です。教師が何か手間取ってほんの少しでも空き時間ができるとすぐにガヤガヤしたり携帯ゲームが始まるので、その隙ができないように手際よく進める必要があります。

当たり前かもしれませんが、板書も、学生の活動中に行う・問いかけを行いながら行うなど、空白ができないようにする必要がありますね。もしくは板書は無しでプリント配布にするのもよいです。

そもそも教科書を持ってきていない・失くしてしまったという学生が多いクラスもあるので、そういうクラスはもう教科書を使うのはあきらめて、同じような内容をカバーする書き込み式プリントを毎回配布&回収するという対応に切り替えました(同僚の先生のアイデア)。

大変でも楽しい!

大変なところばかりが目立ってしまいましたが、人懐っこい学生と毎日過ごすのはとても楽しいです。中学生でも一つのクラスに10-20%くらいは熱心な学生がいますし、高校生は比較的熱心に勉強しています。また、中等教育でもほかの学校はもう少し落ち着きがあるところも多いと思います。

転職して毎日楽しく過ごしているのは疑いなく確かです。

「せんせー!こんにちはー!」と満面の笑顔で挨拶をしてくれると、気分がとても明るくなります。

勉強の方も明るく楽しく取り組んでくれる子が増えてほしいですね。

中・高の科目、料理!!:タイの高校で初めて日本語を教えた7か月を振り返る

タイの中学・高校には、科目はどんな科目があるのでしょう

勤務した学校は教育省ではなく総務省(?)の管轄下にある特殊な学校だったので、ほかの一般の公立学校とは違うかもしれません。

中学1-3年生:特別クラスと普通クラスがあります。

普通クラス=週2時間。1年生は文字と簡単な挨拶や色・曜日・自己紹介など。2年生からは文字1時間(ひらがなの後はカタカナ)、会話1時間。3年生は会話2時間

特別クラス=週6時間。教えたのは2年生と3年生。文法・会話・文化があります。

高校1年生―3年生(4年生―6年生):週6時間の特別クラスのみ

4年生から6年生まで教えました。

科目は前期と後期で変わりましたが、

文法・会話・文化・そして、料理!!

文法と会話の授業は指定の教科書がありますが、文化と料理は、タイ人の先生曰く「先生にお任せします。」

料理……

教室で焼きそば!

前期にちょっとだけ担当した料理の授業について書きましょう。

学期の途中からだったので、前期は試験期間含めて2か月弱くらい担当しました。

初回はタイ人の先生が行っている授業に一緒に入る形でした。

なにをしていたかというと、学生が10人くらい、教室の後ろに集まって焼きそばを作っていました。

電気釜みたいなのを持ち込んで、インスタント焼きそばをゆでています。

こういうの。

これは、ゆでた後にお湯を切って、野菜や肉と合わせて粉末ソースをかけるというタイプ。

キャベツのざく切りが用意されていて「どうする、これ」「どうしよう」なんて学生が相談しています。

「入れちゃえ!」ということで、面をゆでている中にキャベツも投入!

具材はほかに蒸し鶏をスティック状に切った(ほぐした?)ものが用意されてました。

キャベツを入れて1-2分後、麺を取り出し、お湯を捨てて鶏肉とソースと混ぜます。

心の声 (これは、焼きそばなのか…?)

ゆでそばの完成です。

この間、タイ人の先生はノータッチで、教室の前の方にいて放任。

「せんせー、たべますか?」と学生に言われて食べてみましたが、(うーん、麺がやわやわ、ゆですぎ?)

後から知りましたが、全部で2分ゆでれば十分なところ、このときは3分以上ゆでてしまったようでした。

学生は、(うーん、まぁこんなもんかなぁ)くらいのテンションで食べていました。

(教室の中で料理していいんだぁ。何でもありなのかなー。)というのが、働き始めて2週間程度での印象でしたね。

なお、ゆで時間をしっかり守り、肉は豚肉(特にバラ肉)を使えば、とても日清のインスタント焼きそばはとてもおいしく、非常におすすめの商品です。

自分で作るとこんな感じ。人参も入れると赤が加わってなおよい。

タイ在住の方は、是非お試しあれ。

タイの高校での勤務初日:朝からチームティーチングの先生の姿が見えない!

先週から、タイの中高一貫校で日本語を教え始めました。

学期の途中ですぐ働いてくれとのことで、勤務初日の朝イチからいきなり授業です。

朝礼が終わって職員室に戻ったらもう1時間目の開始時間になっています。

急いで教室に着きましたが、チームティーチングのタイ人の先生はまだ来ていません。

ひとまず僕が自己紹介をして、生徒にも一人一人自己紹介をしてもらっいました。

本名、ニックネーム、年齢、好きなものの4項目。

高3でも、自分の年齢を言えなかったり「nが好きです」の文のがなかなか言えなかったり、苦労している子が結構目立ちます。

他の先生や職員の人と話をしたのですが、6年生は結構日本語を喋れるといったことを言っていたので、期待値が低いのかどうかと訝しく思いました。

中にはひらがなを読むのに四苦八苦しているような子もいてびっくり。でもその子は勉強を投げ出すことはせず、先生先生となんども呼びかけてきて、「これは”はい”?」「”はこ”だよ」などとやり取りしました。

楽しそうに読む練習をしているのですが、なんとかうまく読めるようにように手助けをしたいです。

タイ人の先生は、プリントのコピー作業に時間がかかっていたようで、15分くらいして教室に到着し、その後はタイ人の先生メインで進めました。